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2011/08/24

「伺う」じゃなくて「窺う」なんでは?

 誰が芸能界を引退しようと興味はないのだが……。島田紳助さんの引退の発表及び報道を見ていて気づいたことがタイトルの通り(笑)。

 芸能人と暴力団の関係とか、芸能人の引退・復帰・結婚・離婚・出産・恋愛・破局……正直、どうでも良い。しかし、「伺う」じゃなくて「窺う」だと思うんだが……。

 昨日、(株)よしもとクリエイティブ・エージェンシーが発表した「島田紳助 芸能活動引退に関するお知らせ」という資料。この2パラグラフの2行目に「暴力団関係者との間に一定の親密さを伺わせる携帯メール」とある。この「うかがわせる」という言葉の使い方は今回の資料に限らず以前から、あれ?と思ってた。これはウェブの世界だけでなくて、雑誌などで著名なライターなども誤って使っているから、ある意味「間違い」じゃなくなってしまった新しい日本語なのかもしれないが……。

 「親密さをうかがわせる」という言い回しだが、意味としては「〜を想像させる、思わせる」といった意味合い。「うかがう」という語句でも「こっそりのぞく、様子をみる、ひそかに機会をねらう」などどちらかといったら「見る」方の意味合いの「うかがう」だろう。だから漢字で書くとするならば「伺う」じゃなくて「窺う」のはずだが。「伺う」は「聞く」「尋ねる」「訪問する」の謙譲語。だから「親密さを伺わせる」はおかしいと思う。

 今回の報道でもさすがに新聞クラスのほとんどは「うかがう」と開いた状態で掲載していたが、テレビなどはそのまま「伺う」だった。新聞が平仮名にする理由は「窺う」があまり一般的な文字ではないからだろう。新聞用語辞典などでも平仮名になってた。

 ワープロ普及以降、誰でも簡単に難しい漢字が使えるのは良いことかもしれないけれど、本来意味が違い、でも何とくなく近い言葉の誤りって意外と多い。

 「窺う」と「伺う」意外に最近気になるのが「渡る」と「亙る(亘る)」。どちらも読みは「わたる」だが、前者の「渡る」は【以下『新辞林』より引用】

(1)川・海,橋や道路などを横切って向こう側へ移動する。「太平洋を—・る船」
(2)あちらこちらと移る。「転々と—・ってきた職人」
(3)暮らしてゆく。生きてゆく。「世を—・る」
(4)所有物が他の人のものとなる。「人手に—・る」
(5)物を配って,複数の人の手に届く。ゆきわたる。「資料が全員に—・る」
(6)広い範囲に…する。一面に…する。

 という意味。一方の「亙る(亘る)」は

(1)時間・回数・数量が,ある大きさに達する。「多年に—・る」
(2)ある範囲にまで及ぶ。「多岐に—・る」「私事に—・る」

 となる。「渡る(6)」と「亘る(2)」のように近しい意味合いもあるが、良くある誤りとしては「亘る(1)」の使い方。すなわち「10年にわたる現役生活」などという場合は「亘る(2)」にあたり、「渡る」じゃおかしいのだ。やはり新聞などでは「亘る」は「わたる」と平仮名にしている。これがウェブやテレビでは普通に「渡る」と書かれているケースが非常に多い。個人のウェブじゃ校正マンを使うのは無理だろうけれど、テレビって校正マンいないのかなぁ。

 「わたる」にしても「うかがう」にしてもここまで普及すると、やっぱりこれ自体が新しい日本語なのかもしれない。「正しい日本語」というのはたぶん(笑)どこかにあるんだろうけれど、ボクも100%正しい日本語を使って文章を書いているとは思っていない。時代時代のパラダイムなどによってもいろいろと左右されるのが「言葉」なのかもしれない。だから「伺う」も「渡る」も目くじらを立てるほどのことでもないのかも……。

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