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2011/10/28

縦書きが好きな人たち

パソコンの環境が一人一台に近い状態になり、かつ、ほとんどの物書き業の人がパソコンを使うようになってもう10年近く経つだろうか。その間、いつも疑問に思っていたのだが、どうして未だに多くの人が、日本語の「縦書き」表記にこだわるのだろうか。

未だに多くの日本語ワードプロセッサーアプリケーションなどで「縦書き」を売りにしている。さらには、知り合いのライターの中には、縦組みじゃないと書けないという人もいる。大御所の、年配の、作家なら致し方ないが、私よりも年下でもそうだから厄介だ。確かに小説をはじめとした書籍は縦組みがほとんど。だから書き手もそれに合わせて縦組みに、というのは多少理解はできる。が、今作っている雑誌は横組みなんですが……。

これは日本の学校教育の結果(成果?)であるとは思うのだが、どうして日本人は縦書きが好きなんだろう。確かに元々、筆記の日本語が縦方向に書くべき言語だったことは間違いないと思う。だから現在の教育の中で縦書きの日本語を学ぶのは理解できる。では、そもそも日本語の筆記方法がなぜ縦書きなのか? といえばほぼ間違いなく、言語として最大の影響を受けた中国語(漢語)が縦組みだったから。ちなみに本家の中国語は現在、横組み……。

さらに考えてみよう。中国語がなぜ縦組み(縦書き)だったのか? 実際のところ、証拠がある訳じゃないが、これは毛筆を使っていたからだと思う。縦書き(右から左へ書く)の時、毛筆ならば小指の側面が紙に触れることはない。だから右から左方向への筆の動きでも問題なかった、んだと思う。一方、硬筆を使っていたところ、例えばギリシャをはじめとした西洋では左から右方向へ横組みで書いていく。硬筆の場合は、小指の側面が紙について安定させた方が書きやすい。おそらく筆記具の発明の時、そのペン先が軟らかかったのか硬かったのかで、右から左、左から右の差違が生まれたんじゃないだろうか。

日本語に横書きが登場するのは、江戸時代のようだ。当時の蘭学が、欧州の文書をまねて左から右へ書く横書きが生まれたようだ。しかしそれが一般に普及していくのは明治以降。横書きでも左から右へではなく、日本語本来の「方向」である右から左への横組みも多かったそうだ。確かに今でもレトロな看板とかはそういうのが結構ある。

で、現代、手書きで何かを書くとしたら、ほとんど硬筆を使う。毛筆を使うのは特殊なケース、例えば学校の習字の授業か、年賀状だけだ(だけだは言い過ぎ!)。小中学校の頃、鉛筆でノートを取っていて右手の甲から小指や薬指の側面まで、真っ黒になった経験を思い出す。あれ、大ッ嫌いだった。高校に入った途端、すべてのノートを横書きにした記憶がある。日本では現在、一般には硬筆が使われている。やはり横組みがもっと主流になってしかるべきだと思うんだが。公式文書や書籍・雑誌・新聞などでも横組みをもっと普及させて欲しい。

でもね、Lion(OS10.7)はわざわざ縦書きに対応してくれたんだって(笑)。

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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

投稿: 添え状の縦書き | 2012/02/14 15:42

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