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2011/12/29

マーク・カヴェンディッシュ

自転車好きにオススメの本をご紹介。『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷、2011年、税別2,500円)、先ほど読了。

そう言えば、このブログに自転車ネタを書くのは、スゴイ久しぶり……。版元の未知谷さんから献本で頂き、ここ2日ほどで読んだ。いやー、結構面白い! ちなみに未知谷さんは、さまざまな自転車(特にロード)関連の書籍を発行する、かなりニッチな層に受ける出版社。インデュライン、レモン、ウルリッヒなどの伝記をこれまでに刊行している。

マーク・カヴェンディッシュは、イギリス・マン島出身の自転車選手。ツール区間通算20勝、2011年世界選ロード優勝、現在最速のスプリンターだ。この本は、ゴーストライターがいるのかなと、思ってしまうくらいしっかり書かれている。本人が書いたのならばたいしたものだ。

2008年、ツール・ド・フランス区間4勝した時のことを順にステージを追って語りながら、自己の半生を振り返るという内容。ちょっと構成的には読みにくいかもしれないが、ゴールスプリントの描写なんかはとても迫力があって面白い。ロードはチーム競技だが、その中での相剋(選手だけでなくコーチもスタッフも)や他のチームとの関係など、緊迫をもって描かれている。もちろん、彼には類稀なる才能があるのだろうが、これだけの結果を残して来たのは、レースに勝つための非常に緻密なこだわりと努力の蓄積があった上でのこと、というのが良く分かる。

個人的には山岳ステージが好きだが、これを読んでちょっとだけ思いを改めた。ロンドン五輪ロード楽しみだなぁ。

またカヴェンディッシュが、イギリス人(厳密にはマン島はイギリスじゃなく、英国王室属領)ということもあって、随所にサッカーの話題が出て来る。ちなみにカヴェンディッシュ自身は、母親の影響でリーズユナイテッドのファンらしい。例えば、強豪ドイツテレコムと契約を結ぶ前に、ある弱小チームと契約を結ばないか? という話があった時は、バーンリーFCと契約するようなモノと、バッサリ(笑)。確かにこの本の書かれた2008年当時のバーンリーはチャンピオンシップにいたが、そのシーズンの昇格プレイオフに勝ってプレミアへ。リーズよりは余程まし。もっとも1シーズンでまたしてもチャンピオンシップへと戻っていったが……。

またプロ入り後、新人として初めて優勝した直後のレースのくだりも面白かった。チームの監督に講釈を垂れたそうで、ファーガソンに新人ストライカーがシステムを云々するくらいにおこがましいとかなんとか書いてある。これは笑った。

校正的にはちょっと詰めが甘いかも。「リバプール」「リヴァプール」の統一がされていなかったのはレッズファン故気づいたことかもしれないが……。例えば「窺う」を「伺う」にしていたところや、「覗かった」はルビ入れないと読めないよ。あ、ぜんぶうかがう(笑)。

非常に傲慢な選手、というイメージがあるけれど、外面と内面はやっぱり違うんだなぁ。思ったよりチームメイト思いなあたりも。やはりチームメイトがいないとレースには勝てないからね。もっとも2011年10月に、テレコムの後身であるHTCハイロードを退団、ベルンハルト・アイゼルと共にスカイへ移籍した。詳しいいきさつは知らないが、アイゼルはカヴェンディッシュをアシストし続けている選手であり、本書によると彼のプロ入り初勝利はアイゼルのおかげだとか。語られている姿よりも意外と良いやつなのかもなぁ(リーズファンってことを除いて)。

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